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碧月 浅の好きなものを勝手気ままに書きなぐっていくブログです。 趣味の話を中心に、色々徒然と。。。
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プロフィール
HN:
碧月 浅
性別:
女性
職業:
気ままな学生
自己紹介:
はじめまして。碧月浅(へきづきあさ)といいます。
2.5次元と、とあるアーティスト大好きの割と痛いかもしれない学生やってます。
人見知りなやつですが、どうぞ絡んでください!!
好きなジャンルとか、色々なことは、日記から推測してください!!(笑)
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『永井路子歴史小説全集 二』 永井路子/中央公論社/1994
「美貌の女帝」「冬の夜、じいの物語」「裸足の皇女」「殯の庭」「恋の奴」「黒馬の来る夜」「水城相聞」「古りにしを」「火の恋」

★★★★★(私の好きな古代の話だから・笑)

何個か前の日記に書いた永井路子さんの全集です。目標は読破!!
二巻は、美貌の女帝がメインで、短編8本収録。
それぞれ、ちょっとずつ感想

ですが、長いので読みたい方は続きからどうぞ。


「美貌の女帝」
氷高内親王の話。氷高内親王と長屋王が恋仲だったなんて・・・びっくり。そして、元明天皇が、元正の次には吉備内親王と長屋王の子どもを帝位につけようと考えていたなんて・・・
そしてそれよりなにより、元正天皇まで、蘇我氏の血が流れた天皇が即位していたなんて・・・しかも、蘇我石川麻呂系。
私は大津皇子が好きで、それ故に持統天皇が好きじゃありませんでした。でも、蘇我石川麻呂を兄弟でありながら見殺しにした蘇我赤兄の孫を妻にしていた大津を帝位につけたくなかった、山辺皇女(大津の妻)を皇后にしたくなかった、っていう、その説。
学会でどういう考えが定説なのかはわかんないですけど、そういう考え方もあるのかぁと。一人の母親として大津を排除したのではなく、蘇我石川麻呂一族の一人として大津を排除した。そう考えた方が、私としては持統天皇への評価というものは高いです。まぁ、私の勝手な思いではありますが。
古代は、讒言や謀が当たり前と言うか、明らかに分かってしまう感じがするんですよね。稚拙というわけではないんですが、その後の対応から、「あぁ、あれは無実の罪だったんだ・・・」とね。人の心の弱さというか、むしろ素直さ・純朴さが日本古代には鮮明に歴史の中に残されている気がするんです。
そして、その人の心の移り変わりというものが、歴史を変えていく。一人の人間のしたたかさが歴史を変えていく。そういうのが、私好きなんです。そして、この「美貌の女帝」では、そういったものがとても表現されていると思います。
不比等、房前、仲麻呂の人間臭さと、壬申の乱前からの藤原氏の宿願への思い、そういったものがひしひしと伝わってくると同時に、元正天皇の、蘇我氏としての誇りがぶつかり合う・・・
もう、最高です!!

「蘇我の娘たちに、どのみち、平坦な生涯は許されていないのだから」
この言葉は、蘇我倉山田石川麻呂の血を受け継ぐ彼女たちの悲愴なまでの覚悟、血の誇り、そういったものを感じさせてくれる言葉だと思います。

一瞬嫌いになりかけた長屋王でしたが、やっぱり長屋王は素敵な人でした。というか、やっぱりかっこいいよ・・・


「冬の夜、じいの物語」
娘(亜香女)とその祖母の兄の会話からなる話です。おじいさんの話から小姉君と馬子について亜香女はとある推測をするんですが・・・
なんていいましょうか、古代は異母兄弟同士の結婚はタブーではなかったんですよね。母親の家で育つので、母親が違ければ、他人と同じようなものなので。でもそれが時に、権力闘争と結びついて、醜聞を立てられて・・・ってことにもなったわけですよね。ま、タブーだった方が余計醜聞か・・・
昔語りって感じの物語なんですが、権力のためにはそこまでするか~~~って感じです。


「裸足の皇女」※かなりのネタバレ!!
山辺皇女が主人公です。上でも書きましたが、山辺は蘇我赤兄の孫娘であり、大津皇子の妻となります。ですが、結局は大津は川島皇子の密告によって叛意を暴かれ、25歳(多分それくらい。数え年だと26?)の若さで死に至ります。そして山辺は後を追って自ら縊り息絶えます。
山辺の乳母だった胡奈女がよく歌っていた「むみりえか はらあくきさま・・・・・・」という歌。赤兄が裏切ったせいで死んだ有間皇子の「磐代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまたかえりみむ」という辞世の歌を逆さに口ずさんだものだった。そして胡奈女は有間皇子の女童として仕えていた。
山辺に「皇后へ」とそそのかすことにより、有間皇子のために赤兄の血をひく者へ復讐を遂げたかに思える彼女の最後の涙と降り始めた雪が、何ともいえない・・・。
これが、本当だったらすごいなぁ・・・。

「殯の庭」
新田部皇子が主人公。モガリの庭での、声なきののしりあいといがみ合い。それが幼い新田部に、様々なことを教えてくれた。母と、その異母兄の不比等の子どもが生まれ(藤原麻呂)、複雑な思いを抱きながらも政治の世界へと出て行く。しかし、そんな新田部も、藤原四子と同様、流行病で亡くなってしまう。
モガリの庭での声なき声によって事の真相を知っていく新田部と弟麻呂。
古代におけるモガリの重要性、その聖性(はあってないような気がするけど・・・)、儀礼性による仮面の裏の真実性というようなものについてちょっと考えてしまいました。

「恋の奴」
宿奈麻呂と郎女(異母兄妹)の恋物語。とはいっても、郎女の恋の相手はこの話では穂積親王。
但馬皇女の話が中心ですが、その但馬皇女の恋の相手が穂積親王。でも、話をしたのは宿奈麻呂。
この話が後々効いて来るんですよねぇ。

「黒馬の来る夜」
今度の郎女の恋の相手は藤原麻呂。今までは郎女の恋に反対しなかった宿奈麻呂が本気になるなと反対。まぁ、情勢のこともあったんですがね。ですが、結局麻呂は来なくなり、宿奈麻呂と郎女がくっついちゃいます。

「水城相聞」
宿奈麻呂と郎女の間には子供も生まれました。でも、一族の長である大伴旅人の命令で旅人がいる大宰府に、宿奈麻呂から逃げるように向かいます。
私としては、なぜ?って感じ。で、案の定旅人と関係持っちゃうし・・・
そして、新しい恋を見つけてしまいます。その相手は大伴百代。朴訥な彼に惹かれるも、旅人の中央帰還に伴って郎女も戻ります。

「古りにしを」
宿奈麻呂が、藤原四子を襲ったのと同じ流行病によってなくなってしまいます・・・割と好きだったのに、彼・・・。
そして、形見として歌が入った螺鈿の箱が郎女の元に届けられます。その中には、宿奈麻呂が写した数々の歌が。穂積皇子や但馬皇女の歌、石川郎女を巡る大津・草壁の歌などがある中、宿奈麻呂の筆でない歌が紛れ込んでいました。
挟まれている場所からして、石川郎女の歌。そして、遙か年下の男へとあてた歌。
石川郎女は母と子と程の年齢差がありながら宿奈麻呂に恋をしたのだった。←大津皇子にも関係が深い石川郎女!!やっぱり私の中では大津とのベストカップルは石川郎女なんですよね。どっちも情熱的で!!!!!兄弟で奪い合われたっていみでは、額田王とも似てるかも・・・
うーん、やっぱり宿奈麻呂好きだなぁ。それなのに、浮気性な恋多き郎女・・・娘の婿候補にまで恋の歌を求めちゃ駄目だよーーー。

「火の恋」
女嬬の狭野弟上娘子と中臣宅守の恋の物語。女嬬は天皇の手がつくかもしれないから、男性と交わってはいけないのに、娘子は市で会った宅守に恋をしてしまいます。ですが、結局は露見し、長屋王の変に父がかかわっていた宅守は、越前国へ配流。娘子は女嬬を解かれます。
万葉集に宅守と娘子の歌63首が残っているそうですが、なんとも情熱的!!でも、大赦の恩恵にもあずかれず、やっと帰ってきたと思ったら娘子は死んじゃうなんて・・・
ロマンティック&ドラマティックです・・・
短編の中で一番好きかも・・・とくに、宅守←やっぱりそっちか!!




あー、長かった・・・。一時間くらいかかったよ・・・。
ここまで読んでくださった方!!お疲れ様です!!

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